RBA理事会、利上げ予想がやや優勢
- 2023/8/1
- 経済データBOX

日本時間1日13時30分にオーストラリアの政策金利が発表されます。大方の予想では、現行の4.10%から4.35%に25bp(ベーシスポイント)引き上げるとの見方がやや優勢となっています。
前回の会合(7月4日)では、利上げと据え置きとの見方が割れるなか、オーストラリア中央銀行(RBA)は政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.10%に据え置きました。これを受け、オージー円は96円台後半から96円前半へ、オージードルは0.66ドル台後半から0.66台半ばへ下落しました。
先月18日に公表されたRBA議事要旨では、「見通し不透明感とこれまでの大幅な利上げを考慮し、理事会は金利を据え置いて8月の会合で状況を再評価することで合意した」とされています。また、家賃上昇や生産性低下、電気料金の上昇などによるインフレへの影響がまだ十分に把握できていないため、インフレ抑制に依然として政策引き締めが幾分必要になる可能性があるとしました。
オーストラリア統計局が26日に発表した第2四半期消費者物価指数(CPI)は、前期比0.8%上昇、前年比6.0%上昇とそれぞれ第1四半期(前期比1.4%上昇、前年比7.0%上昇)から予想以上に伸びが鈍化しました。ただ、依然としてRBAの目標(2~3%)を大きく上回っているほか、第2四半期CPIの内訳ではサービスインフレは上昇傾向にあるため、25bpの利上げを予想する向きがやや優勢となっています。
一方、据え置きを予想する向きは、5月にRBAが公表した四半期金融政策報告でのインフレ予想(6.25%)を下回ったことを注視しているようです。
◆RBA理事会とは
オーストラリア準備銀行(RBA)は、原則として毎月第1火曜日に開催する金融政策理事会で政策金利を含む金融政策を決定します。なお、1月は夏休み期間のため、理事会の開催がなく、年11回の発表となります。
政策金利として採用されているのは、銀行間取引の翌日物貸出金利であるオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)の誘導目標になります。
RBAの「金融政策」の目的は、法律で、①通貨価値の安定、②最大雇用の維持、③経済的繁栄と厚生の促進と定められています。また、インフレの抑制を「金融政策」の一義的な中期目標と位置づけ、消費者物価の上昇率を年2~3%で安定させることとしています。
発表元:https://www.rba.gov.au/
リリース日:https://www.rba.gov.au/schedules-events/calendar-2023.html