米ADP雇用統計、予想は19万人増
- 2023/8/2
- 経済データBOX

日本時間2日21時15分に7月の米ADP雇用統計が発表されます。大方の予想では、民間雇用者数は19万人の増加となっています。
前月のADP雇用統計では、民間雇用者数が49.7万人増と市場予想(22.5万人増)を大幅に上回りました。同結果を受けて、追加利上げ観測が強まり、米10年債利回りは4%台へ急伸し、ドル円は143.60円前後から144.20円前後へ上昇、ユーロドルは1.09ドル近辺から1.0860ドル近辺へ下落とドル売りの反応が見られました。
ADPは、サービス業では6月に雇用が力強く伸び、予想を上回る雇用増の流れと整合する動きと指摘しましたが、サービス業では賃金の伸びが鈍化を続けており、雇用はサイクル終盤の急増局面を終えて頭打ちになっている可能性が高いと分析しています。
また、前日に米労働省が発表した6月のJOLT求人件数は958.2万件と市場予想(960万件)を下回り、2021年4月以来の水準に落ち込みました。さらに、ISM製造業の雇用指数は44.4と2020年7月以来の水準に落ち込んでいます。今晩のADP雇用統計が市場予想を下回ると、FRBの利上げ打ち止め観測が強まることが見込まれます。
◆ADP雇用統計とは
ADP雇用統計とは、米国の民間雇用サービス会社ADP(Automatic Data Processing)社が発表する雇用調査レポートです。米労働省が公表している米雇用統計に近い算出方法をとっていますが、ADP雇用統計は政府機関の雇用は含まれていません。ADP社が約50万社の民間企業の給与計算データをもとに雇用者数の動向を示した指標で、米雇用統計は民間企業と政府機関をあわせた14万社の44万事業所が対象となっています。
2006年5月から公表されており、原則、米労働省の雇用統計が発表される2日前に公表されます。このため、米雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)を予測する先行指標として注目されています。また、ADPは各週の雇用を週次で、米労働省の雇用統計は当月12日を含む週の雇用を月次で集計しています。なお、2022年6月分から米スタンフォード大学のデジタルエコノミーラボと協力して開発した新分析手法のデータを発表しています。
ADPの給与データには、いつ、いくら支払われたかといった給与取引データと、会社の給与支払者および雇用者と被雇用者に関する管理データが含まれています。ADPのデータでは、企業の給与支払者数と、ある給与期間に給与が支払われた従業員数を測定することができ、この2つの指標は労働市場をより深く理解する上で重要なものとされています。
内訳は、財生産部門(建設業や製造業などの3業種)とサービス部門(レジャー接客業や貿易・運輸・公益事業などの12業種)となっています。また、この2つの部門を小規模企業(1~19人の従業員数、20~49人の従業員数など)、中規模企業(50~499人の従業員数)、大企業(500人以上の従業員数など)と従業員数によって区分けしたものが公表されます。
発表元・リリース日:https://adpemploymentreport.com/