ISM非製造業景況指数、7カ月連続で活動拡大の見込み
- 2023/8/3
- 経済データBOX

日本時間3日23時に7月のISM非製造業景況指数が発表されます。大方の予想は53.0と前月からやや低下する見通しですが、景況感の分岐点である50を7カ月連続で上回る見込みです。
NY連銀が先月18日に発表したビジネスリーダーを対象に実施したニューヨーク地域の7月のサービス業活動指数は前月(マイナス5.2)から上昇してゼロとなり、10カ月ぶりにマイナスから脱却しました。また、6カ月先予測のサービス業活動指数はプラス22.3と昨年4月以来の水準に上昇し、企業は先行きに対して業況は改善するとの見方が強まりました。
先月24日にS&Pグローバルから発表された7月の米サービス業購買担当者指数(PMI)速報値は52.4と前月(54.4)から低下しましたが、6カ月連続での活動拡大が示されています。
今晩発表される7月のISM非製造業では、引き続きサービス業の活動拡大が示されるとの見方が優勢です。
◆ISM非製造業景況指数(Services ISM Report on Business)の見方は…
ISM非製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM Institute for Supply Management)が、非製造業300社以上の購買・供給管理の責任者にアンケート調査を実施して作成されるもので、毎月第三営業日に前月の調査結果が発表されます。
アンケート内容は、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫、支払価格、受注残、新規輸出受注、輸入、在庫景況感の10項目について、前月と比較し、「良い」「同じ」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表したものです。そのうち、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の4項目を加重平均して算出したものを、Services PMI(Purchasing Managers’ Index)と呼ばれ、ISM非製造業景況指数の主要指数となっています。ISM製造業景況指数同様、50%が景気判断の分岐点となっています。
雇用やGDP(国内総生産)面で、銀行や商店、卸売りなどサービス業が占める割合は大きく、また米雇用統計よりも先に発表されることも多いため、投資家やエコノミストらが雇用統計の先行指標として注目します。
ISM非製造業景況指数のなかでも、新規受注指数は先行性の高い指標と言われます。また、輸出用受注指数は将来の状況を予測するうえで重要な指標となります。両指数のいずれか、あるいは両方が分岐点である50をコンスタントに超えていると、今後サービス業が伸びてくると考えることができます。
ただ、ISM非製造業景況指数は1998年から公表された新しい指標で、データが信頼性に欠けると考える人もいます。また、数値の振れが大きくなりやすい傾向があるため、指数の方向性でなく、コンスタントに50を超えているのかどうかを見るのがポイントと言われています。
発表元:https://www.ismworld.org/
リリース日:https://www.ismworld.org/supply-management-news-and-reports/reports/rob-report-calendar/