米雇用統計、NFPは20万人増予想

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日本時間4日21時30分に7月の米雇用統計が発表されます。大方の予想は、失業率が3.6%、非農業部門雇用者数(NFP)の増減数が20.0万人増、平均時給が前月比0.3%増、前年比4.2%増となっています。

先月は、NFPが20.9万人増と市場予想(22.5万人増)を下回る伸びとなったことで、ドル円は143円近辺から142円半ばに下落しましたが、平均時給が前月比0.4%増と市場予想(0.3%増)を上回ったことで、ドル円は143.40円近辺へ切り返しました。ただ、その後は戻り売りに押され、142円近辺まで下げる展開となりました。

2日に発表された7月の米ADP雇用統計は、民間雇用者数が32.4万人増と市場予想(19万人増)を大きく上回りました。内訳をみると、財生産部門が2.1万人増、サービス部門は30.3万人増となりました。業種別では、レジャー・ホスピタリティー業が20.1万人増とけん引し、資源・鉱業や貿易・運輸でも増加した一方、製造業と金融業が減少しました。

一方、6月の米JOLT求人件数は958.2万件と市場予想(960万件)を下回り、2021年4月以来の水準に落ち込みました。業種別では、貿易・運輸とレジャー・ホスピタリティー業が減少した一方、教育・医療サービスやその他サービス業などが増加しています。また、7月のISM製造業雇用指数は44.4と2020年7月以来の水準に落ち込み、ISM非製造業雇用指数は50.7と分岐点である50は維持したものの、前月(53.1)から低下しました。

なお、米労働省は今月、2023年3月までの雇用者数について暫定的な改定値を発表し、来年2月に納税データに基づく確報値をまとめる予定となっています。7月に公表された6月開催分のFOMC議事録では、参加者が雇用統計での事業者ベースの雇用者数は過大評価されていると指摘しています。年次改定値の暫定値が下方修正された場合は、米労働市場に対するこれまでのイメージが変わる可能性もあり、注意が必要とみられます。

◆米雇用統計CES(Current Employment Statistics)とは…

米国の経済指標のなかでも、特に重要視されている指標です。全米の企業や政府機関のサンプルを対象に、米国労働省労働統計局が調査し、失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給などの項目を発表します。なお、調査は失業率や労働参加率に関する一般家庭向け(TableA Household data)と非農業部門雇用者数変化や平均時給などに関する事業所向け(TableB Establishment data)の2種類で構成されています。

米雇用統計をみるうえで、失業率と非農業就業者数の2項目が最も重要になります。これらの数値は、米国の労働市場を把握するための主要なデータになりますが、詳細な各データをチェックすると米国の労働市場の状況をより深く理解できるようになると思います。

家計調査では、失業率や労働参加率、不完全雇用率、短期・短時間労働者数などが注目されます。失業率が低下すると労働市場が改善された状況と考えられ、併せて労働参加率(働く意思がある人の割合)も上昇していれば、景気が上向いているとみられます。

また、景気の悪化を予測するための先行指標として不完全雇用の数値も注目度が高いです。企業がリストラを行う場合は、その前段階として短時間労働者の増加がみられ、しばらくしてから解雇が始まり、失業率が増える傾向があるからです。短期・短時間労働者は単なるパートタイム人口ではなく、フルタイムで働く意思があるにも関わらずフルタイムで働けない人の数として捉えることができます。

事業所調査では、非農業部門雇用者数や平均時給、平均週間労働時間などが重要視されています。前述したように非農業部門雇用者数は雇用統計の中で重要視されますが、詳細をみることによって、増減の主因が民間部門か政府部門なのかを把握することができます。また、業種ごとの雇用者数の増減に注目してみても面白いでしょう。

平均時給の増減は主要産業の人件費や個人所得の増減を示すと考えられ、将来のインフレ圧力やデフレ圧力としてそれぞれ捉えることができます。また、平均労働時間は労働者の稼働率として捉えることができ、景気回復や景気後退の兆しを読み取ることができると考えられています。

発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/2023/home.htm


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