日本時間25日15時に2023年第2四半期独GDP確報値が発表されます。大方の予想では、前期比横ばい、前年比0.2％減と速報値から変わらない見通しとなっています。なお、同発表では内需や外需などの詳細データも公表されるため、注目されます。

23日に発表された8月の独PMI速報値は、総合が44.7と景況感の分岐点である50を2カ月連続で割り込み、2020年5月以来の水準に落ち込みました。また、サービス業が47.3へ低下し、8カ月ぶりに50を割り込むなど、サービス部門がドイツ経済を救うという見方は消えたと指摘されています。

なお、ドイツのIFO経済研究所は6月、根強いインフレが個人消費の重しになっているとし、今年のドイツのGDP予測を0.4％減と3月時点（0.1％減）から下方修正しました。7月の国際通貨基金（IMF）の世界経済見通し（WEO）でも今年のドイツの成長率は0.3％減と4月見通し（0.2％減）から下方修正されていますので、本日発表される独GDP確報値も下方修正される可能性もありそうです。

◆ドイツGDP（Gross Domestic Product）とは

ドイツのGDP（国内総生産）とは、ドイツ連邦統計局（Federal Statistical Office、Destatis）がドイツ国内で生産された最終製品やサービスの付加価値の合計を算出した総額で、ドイツ国内の経済状況を総合的に測るうえで重要な経済指標です。

連邦統計局の発表資料では、国民経済計算（SNA）の価格調整結果が連鎖調整済みまたは非連鎖調整済みの数量データとして、10億ユーロ単位で掲載されています。連鎖式数量データは、未調整値、季節・日数調整値の両方が公表されています。また、GDP成長率への寄与度（％ポイント）も表示されます。

2020年第2四半期から連邦統計局は初めてGDPを四半期末の30日後、従来よりも約2週間早く公表することになりました。欧州連合（EU）の統計局であるユーロスタットは、2016年以降、欧州連合（EU）およびユーロ圏のGDPについて、四半期末の30日後に「速報値」を公表しています。この目的のために、これまで連邦統計局は内部でデータを供給していましたが、今後は国レベルでも公表するとしています。

ドイツのGDPの計算は、国際的なルールや条約、特に法的拘束力のある欧州会計制度（ESA）2010に基づいています。これらの国際ルールによると、例えば家事や環境汚染や自然災害などの負の外部効果など、特定の分野はGDPに含まれません。一方、シャドーエコノミーは、GDPの計算に含まれます。新しい国民経済計算の概念の実施に伴い、違法な生産活動（麻薬経済、タバコの密輸、売春）もGDPに含まれるようになりました。

発表元：https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html
リリース日：https://www.destatis.de/SiteGlobals/Forms/Suche/Termine/EN/Terminsuche_Formular.html?nn=263424