米雇用統計、NFPは17万人増予想

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日本時間1日21時30分に8月の米雇用統計が発表されます。大方の予想は、失業率が3.5%、非農業部門雇用者数(NFP)の増減数が17万人増、平均時給が前月比0.3%増、前年比4.3%増となっています。

前回は、NFPが18.7万人増と市場予想(20万人増)を下回りました。一方、失業率は3.5%と市場予想や前月の3.6%から低下し、平均時給は前月比0.4%増、前年比4.4%増とそれぞれ市場予想(前月比0.3%増、前年比4.2%増)を上回りました。同発表を受けて、ドル円は142円台半ばから142円台後半へ上昇したあと、141円台後半へ下落する展開となり、結果的にはドル安、金利低下、株安となりました。

先月29日に米労働省から発表された7月のJOLT求人件数は882.7万件と市場予想(950万件)を下回り、2021年3月以来の水準に落ち込みました。6月分も958.2万件から916.5万件に下方修正されました。また、30日に発表された8月の米ADP雇用統計は、民間雇用者数が17.7万人増と市場予想(19.5万人増)を下回るなど、米労働市場のひっ迫が緩和していることが示されています。

 

なお、先月23日に米労働省が発表した年次ベンチマーク(基準)改定の速報値では、2023年3月までの1年間の雇用者増加数は30.6万人程度下方修正されました。市場では年間で50万人程度の下方修正が見込まれていましたが、改定前の数字は過大評価されていたことになります。雇用者数が大きく下方修正されたのは、運輸・倉庫や専門職・ビジネスサービスの分野でした。

◆米雇用統計(CES:Current Employment Statistics)とは…

米国の経済指標のなかでも、特に重要視されている指標です。全米の企業や政府機関のサンプルを対象に、米国労働省労働統計局が調査し、失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給などの項目を発表します。なお、調査は失業率や労働参加率に関する一般家庭向け(TableA Household data)と非農業部門雇用者数変化や平均時給などに関する事業所向け(TableB Establishment data)の2種類で構成されています。

米雇用統計をみるうえで、失業率と非農業就業者数の2項目が最も重要になります。これらの数値は、米国の労働市場を把握するための主要なデータになりますが、詳細な各データをチェックすると米国の労働市場の状況をより深く理解できるようになると思います。

家計調査では、失業率や労働参加率、不完全雇用率、短期・短時間労働者数などが注目されます。失業率が低下すると労働市場が改善された状況と考えられ、併せて労働参加率(働く意思がある人の割合)も上昇していれば、景気が上向いているとみられます。

また、景気の悪化を予測するための先行指標として不完全雇用の数値も注目度が高いです。企業がリストラを行う場合は、その前段階として短時間労働者の増加がみられ、しばらくしてから解雇が始まり、失業率が増える傾向があるからです。短期・短時間労働者は単なるパートタイム人口ではなく、フルタイムで働く意思があるにも関わらずフルタイムで働けない人の数として捉えることができます。

事業所調査では、非農業部門雇用者数や平均時給、平均週間労働時間などが重要視されています。前述したように非農業部門雇用者数は雇用統計の中で重要視されますが、詳細をみることによって、増減の主因が民間部門か政府部門なのかを把握することができます。また、業種ごとの雇用者数の増減に注目してみても面白いでしょう。

平均時給の増減は主要産業の人件費や個人所得の増減を示すと考えられ、将来のインフレ圧力やデフレ圧力としてそれぞれ捉えることができます。また、平均労働時間は労働者の稼働率として捉えることができ、景気回復や景気後退の兆しを読み取ることができると考えられています。

発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/2023/home.htm


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