BOE、利上げ予想がやや優勢
- 2023/9/21
- 経済データBOX

日本時間21日20時に英国の政策金利が発表されます。大方の予想では、利上げの休止と継続との見方が分かれていますが、現行の5.25%から25bp(ベーシスポイント)引き上げ、15会合連続で利上げを実施するとの見方がやや優勢となっています。
前回(8月3日)のMPCでは、25~50bpの利上げが見込まれるなか、25bpの利上げが決定されました。発表直後はポンド売りの反応がみられ、ポンドドルは1.26ドル台前半まで軟化しましたが、その後は1.27ドル超へ戻す展開となりました。
前日に発表された8月の英消費者物価指数(CPI)は、前年比6.7%上昇と予想(7.0%上昇)に反して鈍化し、前月(6.8%上昇)から伸びが鈍化しました。また、英中銀が注目するエネルギー・食品・アルコール・たばこを除いたコアCPIも同6.2%上昇と前月(6.9%上昇)から大きく伸びが鈍化しました。
この結果を受けて、利上げ継続への不透明感が強まり、利上げ休止との見方が台頭してきています。ただ、最近の原油価格の上昇に対する懸念もあるため、利上げ継続は揺るがない可能性があるとの指摘もあり、利上げ継続との見方がやや優勢となっているようです。
◆英金融政策委員会(Monetary Policy Committee)とは
MPC(Monetary Policy Committee)は、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)に設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む5名の英中銀内部の委員と4名の外部委員の計9名の委員で構成され、年間8回会合を開きます。政策金利の対象は、中央銀行の預金金利であるBank Rateとなります。
また、年8回のMPCのうち、2月、5月、8月、11月開催の4回はスーパーサーズデーと呼ばれ、四半期インフレ報告が同時に発表され、その後、総裁による記者会見が行われます。
なお、2016年まで毎月開催されていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)にならい、2017年から年8回に減らしています。
◆イングランド銀行の主な機能
BOEは1997年に金融政策の決定権を与えられ、政府からの独立性が高まりました。本店がシティ・オブ・ロンドンのスレッドニードル通りに所在することから、「スレッドニードル通りの老婦人(The Old Lady of Threadneedle Street)」と呼ばれることもあります。
BOEの主な機能は、
・物価安定の維持と英国政府の経済政策支援を遂行
・政府の銀行であると共に「最後の貸手」として銀行の銀行
・イングランドとウェールズにおける通貨発行
・外国為替と金準備を管理し、政府の証券(国債)を登録
などで、スコットランドと北アイルランドの通貨発行権は、その地域の銀行が持っていますが、イングランド銀行に通貨発行額とほぼ同額の預け入れを義務付けられています。
◆MPCボードメンバーの分布図(7月31日時点)
-タカ派-
マン(Mann)委員
ハスケル(Haskel)委員
ラムスデン(Ramsden)副総裁
ピル(Pill)理事
ベイリー(Bailey)総裁
グリーン(Greene)委員
ブロードベント(Broadbent)副総裁
カンリフ(Cunliffe)副総裁
-ハト派-
ディングラ(Dhingra)委員
発表元:https://www.bankofengland.co.uk/
リリース日:https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy/upcoming-mpc-dates