カナダ中銀、据え置き予想
- 2023/10/25
- 経済データBOX

日本時間25日23時にカナダの政策金利が発表されます。大方の予想では、2会合連続で現行の5.00%に据え置くとの見通しです。
前回会合(9月6日)では、政策金利を5.00%に据え置くことが決定され、2022年3月から10会合連続で行われた利上げがいったん終止符を打ちました。予想通りの結果となり、発表後の市場の反応は限定的でした。なお、今後の政策金利ついては、「依然として基調的なインフレの持続を懸念しており、必要であればさらに引き上げる用意がある」と利上げ再開に含みを持たせました。
17日にカナダ統計局が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前年比3.8%上昇と8月の4.0%から伸びが鈍化し、中銀が重視するコアインフレ率(トリム平均値、中央値)も鈍化しています。このため、今会合での利上げ見送りとの見方が強まっています。
今後の動向については、今会合で公表される金融政策報告書(MPR)で経済成長率とインフレ見通しがどのように修正されるかが注目されそうです。
◆カナダ政策金利とは
カナダの政策金利は、カナダ銀行(Bank of Canada)が年8回開催する運営評議会(Governing Council)で決定されます。運営評議会は、総裁、上級副総裁、副総裁4名の計6名で運営され、政策金利の対象は翌日物金利(Overnight Rate)の誘導目標となります。
また、1月、4月、7月、10月には金融政策報告書(Monetary Policy Report)が同時に公表されます。同報告書で公表される経済・物価見通しは、実質GDPやインフレ率、原油・天然ガス価格、海外主要国・地域のGDPなどとなります。
カナダ銀行は、1975年以降、インフレ率抑制という最終目標を達成するためにM1(現金通貨と預金通貨)をターゲット(中間目標)にして金融政策を運営していました。しかし、M1とインフレとの相関関係が弱まってきたことから1982年にこの方針を断念しています。その後1991年までは明示的な中間目標を設定せず、為替レート、失業率等の指標を総合的に判断する政策運営に移行しましたが、裁量的な政策運営がインフレ抑制に十分な効果を挙げていないとの認識から、1991年2月にインフレ率を直接のターゲットとして金融政策を行うインフレ・コントロール・ターゲット(現在はインフレ目標2%、目標レンジ1~3%)を採用しました。
なお、インフレ・コントロール・ターゲットは、カナダ銀行と連邦政府が共同で設定し、5年ごとに見直すことになっています。
発表元:https://www.bankofcanada.ca/
リリース日:https://www.bankofcanada.ca/core-functions/monetary-policy/key-interest-rate/