日銀会合、YCCを再修正との見方が浮上
- 2023/10/31
- 経済データBOX

日銀の金融政策決定会合が開催(30・31日)されています。大方の予想では、前日の夜に配信された日経電子版の報を受けて、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)を再修正するとの見方が優勢となっています。また、本日19時には為替介入実績が発表されるため、今月3日にドル円が150円を突破した直後に3円近く円高に振れた局面での当局による円買い介入の有無が判明します。
前回会合(9月21・22日)では、政策修正の見送りとの見方が大勢を占めるなか、日銀は金融政策の現状維持を決定し、一部では緩和修正への警戒感があったことで、発表直後のドル円は上昇する反応をみせました。
債券市場では、30日に長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが0.890%と13年7月以来の水準に上昇するなど、日銀が7月に続いて政策修正に踏み切るとの観測が浮上しています。
なお、総務省が20日発表した9月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が105.7と前年同月比で2.8%上昇となり、8月の伸び率(同3.1%上昇)から鈍化しましたが、日銀の物価目標である2%を上回る状況が続いています。
◆日銀金融政策決定会合とは…
日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合を金融政策決定会合といいます。通常、年8回、各会合とも2日間開催されます。
議事内容は、
(1)金融市場調節方針
(2)基準割引率、基準貸付利率および預金準備率
(3)金融政策手段(オペレーションにかかる手形や債券の種類や条件、担保の種類等)
(4)経済・金融情勢に関する基本的見解等
とされています。
決定内容については、会合終了後、直ちに当該会合における内容が公表されます。また、政策変更がない場合も、その旨公表されます。
通常、1月、4月、7月、10月の年4回の会合で審議・決定のうえ、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表され、会合における「主な意見」は原則として会合の6営業日後、議事要旨については次回決定会合の承認のうえ、その3営業日後に公表されます。
◆2%の「物価安定の目標」
日本銀行法では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。
日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。
◆「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
日本銀行は、2016年9月の金融政策決定会合において、金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。この政策の枠組みは、金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」の2つの要素から成り立っています。
出所:日本銀行(https://www.boj.or.jp/)
開催日:https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm/