BOE、据え置きとの見方
- 2023/11/2
- 経済データBOX

日本時間2日21時に英国の政策金利が発表されます。大方の予想では、現行の5.25%に据え置くとの見方となっています。
前回(9月21日)のMPCでは、利上げと据え置きとの見方が拮抗するなか、2021年11月以来、15会合ぶりに政策金利の据え置きが決定(5対4の僅差)されました。利上げ見送りを受けてポンド売りの反応がみられ、ポンドドルは1.23ドル近辺から1.22ドル台前半、ポンド円は181.65円近辺から180円台後半へ下落しました。
10月18日に発表された9月の英消費者物価指数(CPI)は、前年比6.7%上昇(市場予想6.6%上昇)と前月と同じ伸び率となりました。英中銀が注目するエネルギー・食品・アルコール・たばこを除いたコアCPIは同6.1%上昇と前月(6.2%上昇)から鈍化しましたが、市場予想(6.0%上昇)を上回る結果となりました。
英CPIが市場予想に反して鈍化しなかったことについて、ベイリー総裁は10月20日に中銀の予測とは大きくかけ離れておらず、コアインフレ率の鈍化はかなり心強いと述べています。また、昨年はエネルギー価格が高騰していたため、10月のCPI上昇率は前年比で顕著に低下するとの見方を示しました。このため、今会合でも政策金利を据え置くとの見方が大勢を占めています。
◆英金融政策委員会(Monetary Policy Committee)とは
MPC(Monetary Policy Committee)は、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)に設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む5名の英中銀内部の委員と4名の外部委員の計9名の委員で構成され、年間8回会合を開きます。政策金利の対象は、中央銀行の預金金利であるBank Rateとなります。
また、年8回のMPCのうち、2月、5月、8月、11月開催の4回はスーパーサーズデーと呼ばれ、四半期インフレ報告が同時に発表され、その後、総裁による記者会見が行われます。
なお、2016年まで毎月開催されていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)にならい、2017年から年8回に減らしています。
◆イングランド銀行の主な機能
BOEは1997年に金融政策の決定権を与えられ、政府からの独立性が高まりました。本店がシティ・オブ・ロンドンのスレッドニードル通りに所在することから、「スレッドニードル通りの老婦人(The Old Lady of Threadneedle Street)」と呼ばれることもあります。
BOEの主な機能は、
・物価安定の維持と英国政府の経済政策支援を遂行
・政府の銀行であると共に「最後の貸手」として銀行の銀行
・イングランドとウェールズにおける通貨発行
・外国為替と金準備を管理し、政府の証券(国債)を登録
などで、スコットランドと北アイルランドの通貨発行権は、その地域の銀行が持っていますが、イングランド銀行に通貨発行額とほぼ同額の預け入れを義務付けられています。
◆MPCボードメンバーの分布図(10月5日時点)
-タカ派-
マン(Mann)委員
ハスケル(Haskel)委員
カンリフ(Cunliffe)副総裁
グリーン(Greene)委員
ラムスデン(Ramsden)副総裁
ピル(Pill)理事
ベイリー(Bailey)総裁
ブロードベント(Broadbent)副総裁
-ハト派-
ディングラ(Dhingra)委員
発表元:https://www.bankofengland.co.uk/
リリース日:https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy/upcoming-mpc-dates