米CPI、総合は鈍化、コアは横ばい予想
- 2023/11/14
- 経済データBOX

日本時間14日22時30分に10月の米消費者物価指数が発表されます。CPI総合の大方の予想は前月比0.1%上昇、前年比3.3%上昇、CPIコアは前月比0.3%上昇、前年比4.1%上昇となっています。
前回は、総合指数の前年比が市場の鈍化予想(3.6%上昇)に対して3.7%上昇と8月の3.7%上昇から伸びが横ばいとなりました。また、同時に発表された米新規失業保険申請件数は前週比横ばいの20.9万件と市場予想(21万件)を小幅に下回りました。インフレが根強いことや労働市場の強さなどを受け、発表直後の反応は金利高・ドル買いとなり、ドル円は149.10円近辺から149.45円近辺、ユーロドルは1.06ドル台前半から1.05ドル台後半へ軟化しました。
EIA(米エネルギー情報局)によると、10月の米国の平均ガソリン小売価格は1ガロン当たり3.742ドルと昨年同時期よりも4.9%下回る水準にあります。また、世界最大の自動車サービス組織である米コックス・オートモーティブがまとめた米国の中古車価格の指標である10月のマンハイム米中古車価格指数は209.4と3カ月ぶりに低下し、2021年3月以来の水準に軟化しています。
一方、過去1年に総合指数の上昇圧力を抑制してきた医療保険料が、10月分からの算出方法の変更に伴い、総合指数を押し上げるとの見方もあるようです。
なお、米クリーブランド連銀が予測している13日時点の10月のCPIナウキャストは、総合が前月比+0.07%、前年比+3.28%、コアが前月比+0.34%、前年比+4.16%となっています。
◆米消費者物価指数(CPI-Consumer Price Index)の見方は…
都市部の一般消費者が購入する商品(財)とサービスの総合的な価格の動きを指数化したものをCPI-U(Consumer Price Index for All Urban Consumers)と呼び、全人口の80%以上をカバーしています。ウエイト(2年ごとに改定)付けされた品目毎に1982-84年の価格(=100)と比較した指数を米国労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)が毎月中旬に発表しています。
また、CPI-W(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers)と呼ばれるものは、賃金労働者と事務職従事者の消費支出構成比を基準に算出したもので、賃金交渉や社会保障などの物価スライドの基準値として利用されています。一般的に、マスコミなどでいうCPIは、CPI-Uを指します。
CPIはインフレに関する最重要経済指標です。同指数(2023年1月時点)は、財38.382%(内、食品13.531%、エネルギー6.921%)、サービス61.618%で構成され、変動の大きい食品・エネルギーを除いたCPI全体の約8割を占めるコア指数は、物価変動の基調をみるうえで特に注目されます。
なお、財とサービスの内訳項目は、財が家庭用品・家具、衣料品、輸送品、医療品、娯楽用品、教育・通信商品、アルコール飲料、その他財です。サービスは、住居、上下水道・ゴミ収集サービス、家事サービス、医療サービス、輸送サービス、娯楽サービス、教育・通信サービス、その他サービスとなっています。
こうした項目やセクター別など掘り下げた指数に着目すると、物価変動の要因が需要サイド、または供給サイドで起きているのか測ることができます。
発表元:https://www.bls.gov/
リリース日:https://www.bls.gov/schedule/news_release/cpi.htm