☆10月の日本株は欧州勢による買い越しで堅調か?
- 2017/10/9
- 極める

小野田慎氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。
今年の10月は例年のパターンですと欧州投資家が日本株を買ってくる周期に当たると考えられ、過去の欧州投資家と日本株市場の関係からすると、日本株市場は堅調に推移すると思われます。
影響力の大きい欧州投資家
7月28日付のコラム「8月の日本株は欧州勢による売り越しで下落に注意?」で紹介いたしましたように、東京証券取引所の公開資料によると海外投資家の日本株の売買シェアは7割近くあり、日本株市場は海外投資家の動向次第と言えます。海外投資家といっても米国や欧州など拠点は異なります。東京証券取引所は毎月の海外投資家の地域別売買動向を翌月20日前後に公表しています。
図1は北米、欧州、アジア、その他地域で分け、買い越し金額から売り越しの金額を差し引いた金額を示しています。プラスであれば買い越し、マイナスであれば売り越しとなります。金額の振れ幅が大きいのは欧州投資家です。
欧州投資家の直近の動向
欧州投資家の影響力は大きく、日本株の株価変動の4~5割程度は欧州投資家の買い越し・売り越しの金額である程度説明ができると考えられます。また、7月28日付のコラムでは欧州投資家の動きをモデル化して日経平均の動向を予想しており、8月は欧州投資家が日本株を売り越してくる周期に当たるため、8月の日本株相場は月間で下落することを予想していました。9月に公表された8月の欧州投資家の売買動向を見ると、6,852億円の売り越しであり、日経平均株価は月間で278円94銭の下落となり、モデルで予想した結果となりました。9月については同コラムでは予想しておりませんが、日経平均株価は710円04銭の上昇であり、欧州投資家は買い越し又は若干の売り越しだった可能性があります。この答えは10月20日前後に公表されるデータを見れば分かるでしょう。
欧州投資家は10月に買い越してくる?
さて、10月の日経平均株価ですが、欧州投資家の行動パターンモデルで予想すると、図2にあるように10月は買い越しの周期に当たるため日経平均株価の上昇が期待できるかもしれません。
10月の日経平均株価が上昇すると予想する場合、投資戦略としては次のものが考えられます。
急騰を予想するなら
相場の上昇を想定するのでコール型eワラントを利用します。日経平均株価が21,000円台を超えてくることを予想する場合、権利行使価格は21,000円を超える銘柄で、満期日が来年の4月や5月となっている銘柄を検討しても良いでしょう。コール型eワラントは相場が満期日に権利行使価格を超える可能性が高まったときに急騰するからです。
例えば満期日が来年4月で権利行使価格が22,500円という銘柄は、現時点で相場が権利行使価格を超えてはいませんが、相場が急騰して21,000円を超えてくると22,500円到達の可能性が高まり、結果として大きく値上がる、ということが期待されるわけです。
急騰は無いがジワジワ上昇していくと予想するなら
短期的な急騰は考えていないけれども、時間をかけて堅調に推移すると予想している、という場合は、トラッカー型eワラントを利用します。日経平均株価を対象としたトラッカー型eワラントなら日経平均プラス5倍トラッカーという銘柄があります。
トラッカー型eワラントはコール型eワラントに比べて大きな値上がり益は期待しにくいですが、その半面、コール型eワラントに存在する、相場が変動しない場合に時間経過によって価格の下落することがありません。そのため、ジワジワと上昇していく相場を予想する場合はプラス5倍トラッカーの方が利用しやすいと考られます。
(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。