バイデン大統領が誕生した場合のシナリオを先読み!

スポンサーリンク

多田幸大氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

連日のように新型コロナウイルスや米中関係の悪化が報じられているためやや忘れがちではありますが、今年の11月には米国の大統領選挙があります。世界一の大国である米国の今後4年間を率いる指導者を決定するイベントですので、株式市場へも大きく影響を与えることになるでしょう。

トランプ大統領VSバイデン前副大統領

世界中で注目される選挙戦ですが、民主党の候補者争いを勝利したバイデン前副大統領が候補者指名を確実にし、現職のトランプ大統領(共和党)と大統領の座を巡って争うこととなります。

気になる支持率ですが、米モンマス大学が行った最新の世論調査によると、トランプ氏の支持率が41%(5月:40%)だったのに対し、バイデン氏が52%(5月:50%)とその差を広げており、対現職大統領ではありながらバイデン氏が選挙戦を優位に進めているように見受けられます。

バイデン氏には、候補者指名を争った左派のサンダース上院議員やウォーレン上院議員が支持を表明しているほか、オバマ前大統領やクリントン元国務長官などの民主党の重鎮も支持を表明しており、挙党体制で本選挙に臨むことになりそうです。

一方の共和党はパウエル元国務長官がバイデン氏支持を公言しているほか、ブッシュ元大統領やロムニー上院議員などの党有力者がトランプ氏不支持の姿勢を採っています。また、在職期間中の経済・外交政策に反感を覚える層も多かったのに加え、現在も米国内で広がる抗議デモへの対応に関してアフリカ系アメリカ人層を中心に支持離れが広がっています。まだまだ序盤ではありますが、厳しい選挙戦を強いられることになりそうです。

バイデン候補の政策をチェック

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、11月3日(火)に予定されている大統領選挙に向けてどのように選挙戦が展開されていくかは不透明な部分が多いですが、今のうちに各候補がどのような政策を掲げて選挙戦を戦うのかを整理し、それに合わせた投資戦略を早めに考え手を打っておくことは意義のあることでしょう。その点、トランプ大統領の再選となれば現在の政策路線が継続する可能性が高い(過去を見る限り突発的な印象はありますが・・・)と思われますので、大きく政策が変わるとすればバイデン氏が大統領になったときでしょう。

バイデン氏が大統領に指名された場合、外交面では同氏が副大統領を務めていたオバマ政権時の政策への巻き戻しが起こる可能性が高いと考えられます。具体的には、トランプ大統領が離脱をしたイラン核合意に関する再交渉や欧州・日本との同盟関係の強化などがその対象となるでしょう。一方で、オバマ政権時、特に初期と異なるのは対中関係となるでしょう。現在トランプ政権下において米中関係は悪化していますが、中国へ対する強硬な姿勢は民主党にも共通しています。仮に大統領が変わったとしても米中関係の早期改善は見込みづらいかもしれません。

バイデン氏の主張の主なポイント

  • 対中:同盟国と連携して対抗
  • 対イラン:イランの合意順守で米国の核合意復帰
  • 対ロシア:北大西洋条約機構(NATO)の強化
  • 法人税率の引き上げ(21%→28%)
  • オバマケアの継続・拡充
  • 政権初年度に500億ドルのインフラ投資(道路、高速道路、橋)
  • 200億ドルの通信インフラの整備
  • 適切な移民受け入れ
  • パリ協定への再参画
  • 2050年までにCO2排出量ネット・ゼロの達成
  • 通信品位法230条の改正

バイデン大統領誕生に備える投資アイデア

新型コロナウイルスの流行に伴い、国民皆保険への関心が高まる米国において、バイデン氏が手を加える可能性があるのはオバマケアの充実でしょう。オバマ政権下で減少した医療保険のない国民の数はオバマケアの撤廃に熱心だったトランプ政権下で再び増加しています。医療保険がないことで新型コロナウイルスが疑われる症状でも病院に行くことをためらう国民もいる中で、自身が副大統領を務めたオバマ政権のレガシーを再び強化する可能性は高いでしょう。もしそうなれば医療保険業界やヘルスケア業界には需要が集まるかもしれません。

一方、トランプ政権下で離脱したパリ協定に再参画し、米国の環境規制強化に注力すると考えるなら、米国のシェール関連企業をはじめとするエネルギー関連企業や資源関連企業には売り圧力となる可能性があります。その場合、米国にとって中東原油の重要性が高まることにもつながりますので、原油価格上昇につながることも想定されます。

さらに、バイデン氏はトランプ大統領が引き下げた連邦法人税を一定程度引き上げることも主張しています。低い税率のもと恩恵を享受してきた大企業にとっては利益の抑制要因になるでしょう。また、インターネット上に投稿された内容に関するプラットフォーマーの免責を認めた通信品位法230条が改正されることになればGAFAなど巨大IT企業はその対策に追われることになります。グーグルやアマゾン、フェイスブックはこれまでのような恩恵を受けることはできなくなり、業績悪化の可能性も考えられます。

(eワラント証券 投資情報室長 多田幸大)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。


スポンサーリンク

関連記事

eワラント証券
書店様向けご案内
為替手帳ing データサイト

おすすめ記事

  1. マーケットコメント-テクニカル分析 29日、日経平均は75日MAに接近したところで切り返すも4日続…
  2. マーケットコメント-マーケット情報 29日、4日続落、欧米株の大幅安を受け下落して始まるも下げ渋っ…
  3. 日銀、黒田氏、円に言及せず、また茶々入れるのかと思っていた。記者たちも円相場に興味薄れ?まあ、いい兆…
  4. 米株、そして欧州株の下落が凄まじい。新型コロナウイルスの再拡大が広がっている。フランスは、2回目のロ…
  5. きょうの戦略$/¥=104.75(10月29日) TSR : 104円34銭 本日の予想レンジ …
  6. 欧州株と米国株が激しく売られている。コロナが原因とメディアが伝えている。コロナが主因ならば、件数の少…

【ボリ平】3万円からのFX投資生活

  1. 12連騰あたりから、ドキドキしていましたがついに歴史的な大相場がやってきました。 週明け東京市場で…
  2. forexnoteでもおなじみの国際テクニカルアナリスト:福永博之さんの番組 「ザ・スマート・トレ…

エイチスクエア書籍

  1. 100%為替トレーダーのための手帳 FOREX NOTE 2021 為替手帳

    100%為替トレーダーのための手帳 FOREX NOTE 2021 為替手帳 ■為替相場歴46…
  2. いざ目覚めよ!株式トレーダー! INVESTORS HANDBOOK 2020 株式手帳

    いざ目覚めよ!株式トレーダー! INVESTORS HANDBOOK 2020 株式手帳 20…
  3. チャート分析のバイブル チャートの鬼・改

    チャート分析のバイブル チャートの鬼・改 重版出来! 好評発売中! ■投資家心理が…
2020年10月
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

メルマガ登録

メルマガ購読・解除
 

QRコード

ページ上部へ戻る
Visit Us On TwitterVisit Us On Facebook