上がるか、下がるかだけが投資ではない!

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多田幸大氏のコラム。株式、為替、コモディティ相場のトレンドや、今後想定されるシナリオと投資戦略。eワラントはもちろん、他の金融商品を使った投資戦術などをお届けします。

一般に「投資をする」ということを考えたとき、自分が投資しようとしている資産が「上がる」か「下がる」かを予想して投資することがまず頭に浮かぶのではないでしょうか。一般的な株取引(信用取引含む)やFXなども、この投資手法に該当します。資産価値の上下(方向性)を予想する取引の場合、予想が当たればいいですが、予想が外れてしまった場合には当然損失が発生することになります。そして、当たり前に発生する「相場の方向性を予想する」というのが、実はとても難しく、様々な角度から分析を行っても予想通りとならないケースはしばしば発生します。

相場の方向性ではなくボラティリティの拡大を狙った取引

では、相場の方向性に拠らずに投資収益をあげることはできないのでしょうか。実は、オプション取引やオプション取引を小口化したeワラントを活用すると、相場の方向性(上げ下げ)ではなく、相場の変動性(大きく変動するかどうか)に着目した投資戦略を実践することができます。「相場が上がるか下がるかはわからないけれど、どちらかには大きく動きそうだ」と考えるときに適した投資戦略と言えそうです。

ちょっと難しそうに思えますが、実践方法はシンプルです。相場水準以上の権利行使価格のコール型eワラントと、相場水準以下の権利行使価格のプット型eワラントを両方買い付けるだけです。相場が上下どちらかに大きく動くと、片方の上昇が片方の下落を相殺し、トータルで数%の収益の獲得を狙うことができます。

コール型とプット型の復習

図1はコール型eワラントの、図2はプット型eワラントの損益イメージです。eワラントを買うときの価格とeワラントを売るときの価格には価格差があり、eワラントを買ったときには価格差の分だけ含み損が発生します。図1や図2のイメージにあるように「現在の相場水準」において、満期前の損益はマイナス、つまり損失となっていることが分かります。

コール型eワラントは相場が大きく上昇すればするほど価格が上昇し、含み益の発生が見込めますが、買付時から時間が経過するほど利益は得にくくなります。仮に「現在の相場水準」から相場が動かず、そのまま満期日を迎えるとeワラントの投資金額の全額が損失となります。プット型は相場が大きく下落すればするほど価格が上昇し、含み益の発生が見込めますが、コール型eワラントと同様に買付時から時間が経過するほど利益は得にくくなります。

したがって、単純なコールの買い又はプットの買いの取引で大きな利益を狙うには、相場の上げ、下げという方向性に加えて、eワラントの対象となっている相場が大きく変動しそうなタイミングを狙うことになります。相場の方向性に加えて、相場が大きく変動しそうなタイミングまで予想しなければならず、そのぶん難易度は高いですが、うまく予想が的中すればレバレッジ効果を伴った大きな収益が期待できるというのがコール買い、プット買い戦略の特長です。

また、コール型、プット型eワラントはいずれも最大損失は投資金額までに限定されている点も大きな特長として挙げられます。相場観が当たらなかった場合にも損失が膨らみ続けて投資金額以上の損失が発生することはありません。

コールとプットを両建てると?

eワラントの「レバレッジ効果」と「損失限定」という特長を活かして、コール型とプット型を両方保有すればどちらかに大きく動いた際に収益を得られるのではと考えたのがeワラントの両建て戦略です。コール型とプット型の両建て戦略は、相場の方向性は予想しなくてよく、相場の変動性の拡大だけを狙う、いわば「ボラティリティを買う」戦略が可能なのです。

両建て戦略を実践するには、対象原資産と満期日が同じコール型eワラントとプット型eワラントを両方、同じくらいの投資金額になるように買うだけです。極端な例ですが、仮に相場が急騰してコール型eワラントが+105%(2.05倍)、プット型eワラントが-99%となった場合はトータルで見れば+6%となり、逆に相場が急落してコール型eワラントが-99%、プット型eワラントが+105%(2.05倍)となった場合はトータルで見れば+6%となります(数値は解説のための例であり、将来の投資成果を保証するものではありません)。

単純なコール買いやプット買いのような大きな収益の獲得はあきらめなくてはなりませんが、相場の方向性を予想することなく、どちらかに大きく動けば数%程度の収益が見込めます。これはeワラントが-100%を超えてマイナスになることはない特長を活かした戦略です。

実際に選ぶ銘柄のポイントとしては、満期までの残存期間が短いコール型eワラントとプット型eワラントを選びます。権利行使価格は買付時の相場水準に近いものを選ぶのが基本です。このような銘柄は実際に相場が大きく動いた時に、価格が大きく変化するという特徴があるため、両建て戦略向きの銘柄と言えます。

両建てならコール型eワラントもプット型eワラントも同じ権利行使価格のものが望ましいですが、買付時の相場に近い権利行使価格のコール型eワラントとプット型eワラントが存在しない場合には、次善の策として、コール型eワラントは相場よりも若干上の権利行使価格、プット型eワラントは相場よりも若干下の権利行使価格で両建てポジションを構築します。

イベント終了後に両方とも売却するのが基本です。リスクとしては予想に反して相場がどちらにも大きく動かなかった場合大きく動いても売却前に元の水準に戻ってきてしまった場合であり、この場合は損失となります。

両建て戦略に適したタイミング

両建て戦略は相場が短期間にどちらかに大きく動くことを意図した戦略ですので、相場があまり動かない時やじりじりと動いているときに向いた戦略ではありません。

そこで、どのようなときに相場が大きく動くのかが重要になります。特段大きな要因がなく、突発的に相場が急変すること(例えば2018年のVIXショックなど)は予想することが難しいですが、市場の注目が高く、事前にスケジュールが決まっているイベント(重要な経済指標や金融政策の発表、選挙などの政治イベント)であれば、直前にポジションを構築しておくことができそうです。

目先で両建て戦略が活かせそうな政治・経済イベントとその際の投資候補としては以下のようなものが挙げられます。

10月下旬~  企業決算             → 個別株を対象とするeワラント
10/26~    中国5中全会        → 日経平均を対象とするeワラント
11/3             米国大統領選挙    → 日経平均、米ドルを対象とするeワラント
11/6           FOMC                → 米ドル、日経平均を対象とするeワラント

(eワラント証券 多田幸大)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

 


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