[書評]ピット・ブル
- 2015/3/27
- 書評

◆ピット・ブル
マーティン・”バジー”・シュワルツ著/成田博之訳 パンローリング
「マーケットの魔術師」に紹介されているスーパートレーダーの自伝でです。著者は、アナリストとして10年間過ごしながら、ファンダメンタルズに基づきトレードを続けたものの、一向に成功せず、その後テクニカル・トレーダーとして大成功しました。
その著者が成功に至るまでの過程が細かく書かれていて、非常に面白いです。特に友人から「成功するためにはプランが重要である」ことを教えられ、プランを立てて実行し、成功をつかんでいきます。こうした成功への過程は一般投資家には大いに参考になるものです。
本書ではハードワークの重要性も説かれているが、「修行」「努力」という言葉の好きな日本人には共感できる部分が多いと思われます。特に「ウイザード」と呼ばれるトレーダーが、指標を手で計算し、チャートを手書きしている部分の説明には納得させられる人も多いはずです。
著者はテクニカル・トレーダーとして成功したものの、それはファンダメンタルズより、テクニカルが重要ということではなく、自分に合った手法が重要ということです。また、成功のためにはプランを立てるの重要性を教えてくれます。
最後の章では、使っているテクニックの説明があります。夢のような方程式はありません。10日間の指数平滑移動平均とその±1%のバンドの利用方法に関しては、多いに参考になると思います。シンプルではあるが「移動平均に逆らわない」というのは基本のようです。