<雑感>五十歩百歩
- 2017/1/19
- 佐藤りゅうじブログ

いよいよ、20日からトランプ政権が誕生するが、ここにきて、為替市場は、夢から覚めてきたようだ。ドル売りが進んでいる。ドル円は、18日の東京時間には、112.57まで水準を引き下げる場面があった。昨年11月の米大統領選以降、いわゆるトランプ相場の高値が、昨年12月15日の高値118.66なので、約6円の下落になる。
昨年11月9日の安値が101.20なので、約5週間で17.46円も上げた相場の調整としては、112円台は妥当な水準かと思う。テクニカル的には、11月9日から12月15日までの上昇の38.2%押しが111.99であり、この水準を下抜くと、半値押しの109.83という水準も意識されそうだ。
ところで、トランプ氏自身がウォールストリートジャーナルのインタビューで「中国が人民元押し下げているためドルが既に高過ぎる」と述べ、ダドリーNY連銀総裁から「最近のドル高は物価への下方圧力」と発言するなど、徐々に要人からのドル高けん制発言が増えてきた。
トランプ氏を大統領にさせたのが、ラストベルトと言われる、かつて製造業で隆盛を誇った地域であり、米製造業にとって、ドル安メリットが大きいことを考えると、このような発言が出てきても不思議はない。
もちろん、これらの発言のターゲットは、中国だ。よって、日本には関係ないと思われるかもしれないが、「Make America Great Again」という以上、アメリカにとってマイナスなものは、すべてと考えるべきだろう。外国為替報告書の「監視リスト」には、中国はもちろん、ドイツも日本も載っており、ユーロや円にも飛び火してくる。年内に105円以下の数字をみるのも、十分に考えられる。
しかし、習近平さんが、ダボス会議で、「保護主義に反対する」と述べるとはね。高い塀を作るのも、いきなりルール変えるのも、どちらも保護主義だと思うけどね。どの口が言ってんだろうね。まぁ、政治の世界、なんでもありだから、いいのかな。
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