<雑感>買いの重さで潰される?
- 2018/2/9
- 佐藤りゅうじブログ

今回もラジオ日経に寄稿しているものから。
再びダウが暴落ですね。2万5000ドルに乗せたとき、「次は3万ドルだ」と冗談交じりに息巻いたトランプさんは、先日、ツイッターで株安について、「大間違い」と呟いていました。トランプさんにとって、株価は生命線です。中間選挙の年に、株価が暴落するようなら、選挙結果にも響くでしょう。
トランプさん、「昔は好材料が伝われば株価は上げたものだが、今では好材料が伝わると株価は下げる。大間違いだ。経済に関してこれだけ良いニュースがあるのに!」と述べたそうですが、株価に先見性があることを忘れていたのかもしれませんね。これまでの株高は、1500兆円もの緩和マネーが演出した側面が大きいでしょう。
さて、今回の株価暴落の背景には、米債市場の急落(利回りは急上昇)があります。債券バブルの崩壊については、2年くらい前から危険性が叫ばれており、「ついに来たか」とう感もあります。債券バブルが崩壊したとすれば、おそらく、もう一段の債券安があり、期間も長期化するでしょう。債券マネーは、大損になっているわけですから、株価も簡単には戻らないでしょう。
今週の為替相場ですが、ユーロドルが7週連続高の咎めを受けた格好となりました。かなりの投げが出たとみています。ただ、大きな流れとしての、ドル安は変わらないとみており、その意味では、ユーロの買いのポジションが解れたことで、次の高値を取りやすくなったと考えています。
一方、ドル円ですが、今週、ドルは対主要通貨で概ね上昇しましたが、108円台半ば~110円台半ばのレンジをやっているだけです。リスク回避の円買いの話から、下落しているようにみえますが、1月26日の安値すら更新できずにいます。
この値動きをみると、ドル円については、買いポジションが再び増えているように感じます。こういった場面で、円高に振れて、ドル買いポジションが解れると、円安に振れたときも「のびしろ」があるのですが、このままだと、自らの買いの重さで、いずれ潰れてしまうでしょう。この通貨は、戻り売りに分があるとの見方に変わりはないです。
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