☆トルコリラ連日の最安値更新、連立不調でリラ安は長期化か
- 2015/8/19
- 佐藤りゅうじブログ

トルコリラが対ドルできのうまで連日の最安値更新となっていました。6月の総選挙で単独過半数獲得に失敗した与党公正発展党(AKP)は、最大野党・共和人民党(CHP)の連立を模索していましたが、不調に終わりました。AKPを支持母体とするエルドアン大統領(大統領任期中のためAKPを離党)は、自身の権限強化を目指した6月の選挙で敗北し、今回、連立構築にも失敗したことで、10月以降に再選挙を実施し、再度、単独過半数を狙う流れとなりそうです。
・ドル円なら117.98円
連立工作不調が伝わってからのトルコリラの対ドル、対円の動きです。
ドル・トルコリラ 8月13日安値2.7724→8月18日高値2.9066(約4.85%トルコリラ下落)
トルコリラ・円 8月13日高値44.88→8月18日安値42.77(約4.7%トルコリラ下落)
4.85%というとわかりにくいので、ドル・円が円高方向に動いたとして換算にすると、仮に1ドル=124円なら、117.98円になります。かなりきつい下げです。しかも、トルコリラは高金利通貨のため、ほとんどの方がスワップ狙いでトルコリラ買いで入っていると思われ、多くの方が引かされているとみます。
・トルコリラの行方は?
5%弱の急激な下落局面なので、目先は、自律反発があるとみます。ただ、再選挙が10月以降ということは、それまで政治的空白が生まれます。ご自身が、よその国に投資すると考えた時、仮にその国の内閣の支持率が低かったり、政情不安だとしたら、その国に投資するでしょうか。ファンドも同じです。海外からトルコに投資しているファンドや企業体は、トルコの政情不安を受けて、トルコへの投資資金を減らすでしょう。つまり、さらにトルコリラは下落する可能性があるとみます。
また、テクニカル的には、2011年12月にトルコ・円で40.30円という安値があるのですが、これをきってしまうと、40円の節目くらいしか見当たりません。40円以下に下の節はまったくありません。よって、39円台後半にストップを置いて、買い参戦している向きが多いと想像されますので、このあたりの価格帯は要注意です。
・取引の目的を明確に!
以前も述べましたが、トルコリラに限らず、南アランドなどもそうですが、高金利通貨というのは、それなりの理由があって金利が高くなっています。政治・経済・社会環境が不安定な場合が、ほとんどです。いわゆる、カントリーリスクです。日本の超低金利に見慣れていると、10%を超えるような、金利は非常に魅力的にみえます。FXの取引をしていて、毎日数百円ずつチャリンチャリンって入ってくると思うと、つい高金利通貨をロングしがちです。ですが、金利分の利益を吹っ飛ばすのに、一秒もいりません。高金利通貨を取引する際は、そのあたりをことを考えて、レバレッジを5倍にする等、急落への備えをして取引する必要があるとか思います。ちなみに、米国が利上げを実施した場合、新興国市場は、最初に資金が引き始めるので、ご注意ください。