危うい上昇
- 2020/5/21
- 佐藤りゅうじブログ

ドル円が、また動かなくなってきましたね。先週、目先、106~108円前後のレンジ相場が形成されそうと述べましたが、そんなの当たらなくていいのにね。相場は、動いた方が面白いです。
動きの鈍くなった為替市場を横目に、米株を中心に株式市場は活況ですね。新型コロナウイルスの災禍による経済指標の悪化、米中の覇権争いの激化など、どこ吹く風です。ポンペオ米国務長官が、中国政府を「悪辣な独裁政権」と呼んでも、米上院が中国企業の米証券取引所への株式上場を禁止することにつながり得る法案を全会一致で可決しても、市場はびくともしません。過剰流動性のもと、ポジティブな材料にのみ反応しています。
この動きを半年後、一年後になんと呼ばれるかわかりませんが、非常に危うい動きに見えます。昨日は、英3年債が初めてマイナス金利になりました。マイナス金利が当たり前になる世界では、結果的に金利を生まない(正確には少ししか生まない)ゴールドが買われやすくなります。ドル建てゴールドが8年ぶりの高値を取ったのも、円建てのゴールドが東商取で上場来高値を記録したのも、うなずけます。
問題は為替市場ですね。ドルの減価政策がとられても、主要国や地域も緩和政策を取っているうえ、それぞれアキレス腱を抱えており、なんだか綱引きのようになっています。個人的には、金の買いポジションを維持しながら、ドル円は、108.30付近にある200日線を突破したら、いったん手仕舞いで、ショート維持、ユーロドルは1.1015あたりから、試し買いを考えています。