<雑感>内憂外患、米株高の変調は近いか
- 2020/6/2
- 佐藤りゅうじブログ

米国、ひどいことになってしまいましたね。警官に拘束されていた黒人男性の死亡事件を巡る抗議デモが全米各地で発生、その一部が暴徒化しています。首都ワシントンでも、煙が上がり、これに対し、トランプ大統領はワシントンに軍を配備すると表明しました。
先ほどまで、CNNのLIVEを見ていたのですが、トランプ米大統領は、州知事に「デモ隊を制圧(dominate)せよ」と通達しており、なんだか悲しくなりました。私が米国にいた92年にも、白人警官による黒人への暴力(ロドニー・キング事件)をきっかけに、ロサンゼルス暴動が発生、そして全米に飛び火しました。近所の日本人教会が襲撃にあい、とても怖い思いをしたのをいまでも忘れません。
いまの米国は、外交は対中問題、内政は人種問題と内憂外患となっています。この状況で、米株に大きな変調がないのは、やはり違和感があります。一部では、株価は米連邦準備制度理事会(FRB)次第になっているとの見方もあります。
ただ、リーマンショック後の超緩和政策が、歴史的な株高と同時に社会格差を広げたこと、そしてそのことが社会コストを上昇させていることを考えると、どこかで、このツケを支払うことになると思います。
いま起こっているドル安の流れは、その兆候かもしれません。米株の異変が起きるのも、そう遠くなさそうです。ドル安、米株安、問題は米債安となるかですが、債券市場については、いまの時点で米債が売られる可能性は低いとみています。
しかし、ユーロドルは、重要なところで上値が抑えられていますね。1.1150-1.1250は、ユーロドルにとっては分水嶺です。1.1250を超えてくると、中長期のユーロ高相場が始まるとみています。