【雑感】メキシコ中銀、7会合連続利上げの可能性
- 2022/3/10
- 佐藤りゅうじブログ

メキシコの中央銀行にあたるメキシコ銀行は、今日、25日、金融政策決定会合を開催します。今回の金融政策決定会合は、1月に就任したビクトリア・ロドリゲス総裁にとって2回目の会合となりますが、引き続き、インフレとの戦いとなりそうです。
3月9日、国立統計地理情報院(INEGI)から発表された2022年2月の消費者物価指数は、前年同月比で7.28%上昇となり、2月としては2000年以来の高水準となっています。ライムが同15.2%上昇、アボカドは同8.7%上昇となるなど、メキシコの食生活において重要な食料品の上昇が目立っています。また、農産物やエネルギーを除くコア指数は、同6.59%の上昇となっています。メキシコ銀行のインフレ目標のレンジ上限は4%ですが、これを12カ月連続で上回っています。また、ウクライナ情勢次第では、穀物、エネルギー価格など、さらに上昇する懸念があります。
先月28日に発表された1月のメキシコの失業率は、3.71%と昨年12月の3.51%から上昇しましたが、依然として低い水準にあります。また、2021年10-12月期のメキシコの国内総生産(GDP)確報値は前四半期比の実質で変わらずとなっており、速報値の-0.1%から上昇修正されています。辛うじて、景気後退局面入りを避けることができました。また、内訳をみても、農業などの第1次産業は0.2%増、第2次産業が0.4%の増加となっており、このタイミングなら、利上げには踏み切りやすいでしょう。
メキシコ銀行は、先月10日の金融政策委員会で6会合連続利上げを決定、しかも直近2回は0.50%の利上げとなっており、現在、政策金利は6.00%です。ただ、それでも、政策金利からインフレ率(2月の消費者物価指数7.28%)を引くと、実質金利は依然としてマイナスとなっています。また、インフレは一段と加速していることから、今月25日に予定されている金融政策委員会でも、0.50%の利上げを実施する可能性が高そうです。
メキシコペソ・円の値動きをみると、2月24日のロシアのウクライナ侵攻後、下落を開始し、3月8日は5.374付近まで下落しましたが、日足は十字線をつけて切り返し、5.55付近まで戻しています。ウクライナ情勢など、不確実な材料がありますが、円との金利差、日銀とメキシコ銀行の政策スタンスの違いを考えると、中長期でのスワップ狙い、タイミングによって、短期取引でもメキシコペソ・円は、買い分がありそうです。
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