5月12日のポイント― メキシコ物価上昇止まらず、8連続会合利上げが確実視
- 2022/5/12
- 佐藤りゅうじブログ

今日、12日はメキシコ中銀が政策金利を発表します。現在、メキシコは、高いインフレ率に悩まされており、メキシコ中銀は、7会合連続利上げを行っています。今回の金融政策委員会でも、0.50%の利上げが決定され、政策金利が6.50%から7.00%に引き上げられることが予想されています。
5月9日、国立統計地理情報院(INEGI)から発表された2022年4月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.54%上昇となり、前月の+0.99%上昇からは伸びが鈍化しました。ただ、前年同月比は7.68%上昇、農産物やエネルギーを除くコア指数は、同7.22%の上昇となっており、2001年1月以来、21年ぶりの高水準に位置しています。また、ロシアのウクライナ侵攻の影響から、食料品の価格上昇が著しく、食料品、飲料、たばこの価格が前年同月比で10%以上もの上昇となっています。
一方、雇用状況をみると、先月28日に発表された4月の失業率は2.97%と前月の3.51%から大幅に改善しました。失業率が3%を下回るのは、新型コロナウイルスのパンデミックが宣言される前の2020年3月以来です。
メキシコ銀行のインフレ目標のレンジ上限は4%です。現在、これを14カ月連続で上回っています。現時点の政策金利からインフレ率(3月の消費者物価指数7.68%)を引く実質金利は、-1.18%であり、今回の金融政策委員会で0.50%の利上げが実施されても、まだまだ利上げ余地はありそうです。また、雇用状況が改善を続けていることから、積極的な利上げも引き続き可能でしょう。
メキシコペソ・円の値動きをみると、2月24日のロシアのウクライナ侵攻後、下落を開始し、3月8日は5.374円付近まで下落しましたが、日足は十字線をつけて切り返し、その後は急激な円安もあり、5月6日には2016年4月以来、6年ぶりの高値となる6.49円台まで上昇しました。その後、6.35円台まで軟化する場面もありましたが、押し目はしっかり拾われており、上値を試す展開となっています。水準的には、2016年2月の高値がある6.69円台が次の上値目標とみています。また、日銀とメキシコ中銀の政策の違い、円とペソの金利差を考えると、メキシコペソ・円の上値余地は十分にありそうです。
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