9月8日のポイント・・・止まらない口先介入とドル円の上値余地
- 2023/9/8
- 佐藤りゅうじブログ

口先介入が止まりませんね。今日の東京時間も鈴木財務相から「過度な変動にはあらゆる選択肢を排除せず対応」との発言がありました。ちょうど、日経平均が下落していたタイミングということもあり、5日のNY以降支持されていた147円付近を下抜くと、146.59まで売られました。ただ、すぐに147円台を回復、欧州時間には147円台半ばまで戻しています。
今週に入り、年初来高値を取ってきたこともあり、神田財務官などからも口先介入が出ています。ただ、口先介入による下落幅は限られているうえ、すぐに戻してきます。この値動きをみると、買い方は介入に対する警戒感があるので、買いをパンパンに膨らませてはいないですし、介入期待の売りもそれなりにあるのでしょう。ある意味、バランスが取れているというか、それほどポジションが偏ってはいないように思います。
相場が崩れる時は、バランスが崩れる時です。その意味では、いまのドル・円、値位置こそ高いですが、相場が過熱しているかと言えば、そんな状況ではないです。逆に口先介入で適度な押しを作って、上値余地を広げているようさえ見えます。
たしかに、昨年9月以降のドル売り介入は成功したと言ってもいいでしょう。介入のタイミングはこれまでになかった時間帯でしたし、規模も大きかったです。相場もそれなりに円高方向に動きました。当局は、自信を深め、今回はジャブを浴びせながら、相場をコントロールしようとしているのかもしれません。
ただ、今回は円売り相場ではなく、ドル買い相場です。明らかに相場の質が違います。また、昨年の相場でも、ドル・円が最も大きく下落したのは介入時ではなく。11月10日の10月の米消費者物価指数の発表時です。ファンダメンタルズに大きな変化が出たと判断された時です。介入では一時的に相場の動きを止められても、大きな流れは変わりません。少なくとも口先介入が続くうちは、そこは押し目とみて、買い拾っていこうと思っています。
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