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- 堀内昭利-本日の注目点(5月8日)
堀内昭利-本日の注目点(5月8日)
- 2023/5/9
- 堀内昭利 本日の注目点

東京、欧州、そしてNY参入後でも相場は波立たず。凪の状態。今日は、前週後半からの流れを受けて、豪ドル、NZドルが堅調なのが目立つ。ほとんどのクロス円が最近年初来高値を更新したのに、オージー円だけが追い付いていない。遅ればせながら、というところか。米債金利は上げているが、珍しくドル円が連動しない。ダボハゼNYがこのままおとなしく終わるわけではないだろうから、何をやらかすのか、お手並み拝見。(2023年5月8日23時前)
「住友銀行秘史」国重淳史。講談社。読み終わって疲れてしまった。レビューに自慢話だろ、というのがあったが、そんなこともないし、そんなこと言ったら、本筋を見逃してしまう。昔から、邦銀は嫌いだった。大企業そのものが好きでない。しかし、驚いたなあ。住友銀行の重役たちの数。多数の大物ОBたち、会長、頭取、副頭取2人、専務5人、常務8人、とんでもない組織で、住友藩という感じだ。イトマン事件を扱ったものだが、著者は先日亡くなった。当時のバブルに浮かれていた日本の全貌がわかる。もう、あのバブルは昔なんだね。日本人は忘れるのが得意な民族だから、しょうがない。思い出すと、あの事件の報道はいろいろあったが、非常にわかりづらく、金額の桁も違うし、薄い記憶しかない。友人がイトマンのゴルフ会員権買って、大損したことは覚えている。多数の関係者たちはすでに亡くなっている。ああいう組織での抗争の挙句に皆最後は死んでいるのだから、なんともなあ。相手側の許永中や伊藤寿永光などは存命。後年、西川氏が頭取になり、ラストバンカーと呼ばれたが、引退後、認知症?らしく、これもちょっとなあ。なんとも、そう、空しくなるのだよ。イトマンから闇の世界に流れたマネーは3000億円らしいね。政治家は絡んでいるし、ヤクザは絡んでいるし、なんともバブル崩壊は天罰だったんだなと思わせる。銀行の事に詳しくない人が読むと、結構きついと思う。銀行マンは、読むべきだろう。それぞれ、感想は異なるとは思うけど。日本の組織自体は、今でも変わらないのだろう。なお、著者は、後年、女性問題で失脚だったようだ。
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