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堀内昭利-本日の注目点(7月25日)
- 2016/7/26
- 堀内昭利 本日の注目点

堀内昭利-本日の注目点(7月25日)
とてもつまらない展開。市場筋は、米利上げ9月の予想が増えていて、日銀必ず何かする、やらなければ円高、というように多数一致みたいな状況。中央銀行たちが、予想通りに動いてくれるならば、今まで相場は荒野にならなくて良かったはず。まあ、中銀に言わせれば、勝手に予想しているんでしょ、ってところだろうけどね。(7月25日。夜中。)
「荷風と東京」断腸亭日乗私註。川本三郎著。都市出版。分厚い本で読破するのに時間がかかった。当初は、いまいち興味わかず、チンタラであまり進まず、途中から俄然読むのが楽しくなり、終わらせるのがもったいなく進まず、という感じであった。作者の永井荷風に対するゾッコンぶりがよくわかる。また、永井荷風がどうして、いまだに人気があるのかこれもよくわかる。
明治後半から終戦後までの日記が主体であるが、大変に勉強になった。東京を知ることができる本だね。私はずっと多摩だから、麻布から向こう浅草、本所、隅田川、玉の井、向島、亀戸、市川辺りは全く知識がないので新鮮であった。今度行ってみたいと思う。当時の女性たちの姿も理解しやすい。知らないことも多く、驚いたことも多い。
関東大震災後の昭和元年から昭和10年くらい、東京は高度成長したんだね。そして、一番平和だった時代。日中戦争始まって、昭和13年くらいから、すでに食糧事情は悪く、よくまあそんな状態で日米開戦に向かったものだとひたすら驚いた次第。荷風が静かな批判的論調で書いているのですんなりと心に入った。震災後、大東京の中心は浅草から銀座に移ったのだけど、銀座の当時の全盛期は今とさして変わらないのでさらに驚いた。和光の時計台も昭和4年完成らしいし、三越前駅は三越が作ったらしいね。銀座線が浅草ー上野だったのが、銀座まで延伸したことによって、銀座の繁栄が確定したようだ。松屋、三越、松坂屋など勢ぞろいとなった。
まあ、そんなこんなで、東京に興味ある人や、荷風に興味のある人にとっては、心に響く本である。私は荷風に非常に興味がわいた。四畳半の本を買おうと思ったら、完全品切れ。あったとしてもとんでもない値段がついているのだろう。座布団5枚。作者の川本氏は、いまでも新聞で古い時の東京と比較したエッセイをよく書いているようだ。
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